偽薬効果は現象的事実であって科学的事実にあらず!!

 一般にメカニズムを解明するとは、因果関係を解明することである。メカニズムを解明しない関係は、疑似相関のおそれがあり、誤っていることがある。観測された事実は事実ではあるが、科学的には虚偽であることがある。事実が虚偽であることを暴くのが科学の面白いところである。
 例えば、「年齢があがると、持ち家をもつ人が多くなる。」ということが、統計上、観測されたとする。これは確かに事実であると言えるが、科学的事実としては間違っている。
 年齢があがることが原因で持ち家をもつ人が多くなるという結果をもたらすわけではない。そこで、収入を統制すると、年齢による持ち家所有率に差がなくなったとする。つまり、統計的分析の結果、年齢があがると収入も増えるので、持ち家の所有率が増えることがわかったとする。年収が原因で持ち家を買う人が増えるという結果をもたらすという因果関係があることが判明したとする。
 この場合、年齢と持ち家所有率の関係は疑似相関と呼ばれ、嘘の因果関係なのである。

「年齢があがると、持ち家をもつ人が多くなる。」は現象的事実であるが、この因果関係は嘘であり、「収入があがると、持ち家をもつ人が多くなる。」というのが科学的事実である。

現象的事実
  「年齢があがると、持ち家をもつ人が多くなる。」=嘘
科学的事実
  「収入があがると、持ち家をもつ人が多くなる。」=真理

 現象的事実は客観的に確かめられたデータであるものの、嘘であり、メカニズムが解明され因果関係が確定した事実のみが、科学的事実と呼ばれるものである。

 これを偽薬効果に適用すると、次のようになる。
 偽薬効果とは、偽薬を本当の薬だと信じ込んで服用するという原因が、身体状況の改善という結果をもたらすということである。信じ込み(原因)→身体現象の改善(結果)=偽薬効果なのである。
 しかし、この因果関係が疑似相関である可能性は高く、本当のメカニズムは解明されていない。信じ込みと身体現象の改善の両者の間に、それを媒介する要因がいくつもあるのではないかと容易に想像がつくわけである。
 偽薬効果は、現象的事実であり、未だ科学的事実の域に達していないのである。現象的事実にしかすぎない嘘を科学的事実だと見なすのは、ニセ科学である。科学的だと称して、偽薬効果という嘘を前提にして、ホメオパシーを批判することは、当然のごとくニセ科学である。

 観測された事実だからといって、それが科学的に本当であるわけではない。現象的事実に潜むメカニズムを解明し、事実こそが嘘であると暴くことが科学の役割なのである。現象的事実としての偽薬効果は、メカニズムが解明されておらず、科学的事実ではないのである。
 このように客観的に観測される事実である現象的事実のメカニズムを解明し、根底にある科学的事実を発見するのが科学の本道であるのに、メカニズム論の誤謬という偏った科学思想に立脚するニセ科学批判者は、非科学的・ニセ科学的になってしまっているのである。
 ニセ科学批判者たちよ!! 偽薬効果というニセ科学に騙されるな!! 偽薬効果こそニセ科学批判の対象になるのである。

  余談
 件のエントリーでトラックバックいただいたニセ科学批判者・第一世代のTAKESANさんの「論宅さんの混乱」という記事の下のSponsored Linkが「ホメオパシー商品ご自宅へ」や「レメディ通販」とホメオパシーの宣伝が表示されているのが痛々しい。なとろむ氏と異なり、せっかくホメオパシー完全否定派なのに皮肉である。なとろむ氏より徹底している点は評価できる。

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by merca | 2011-01-31 22:31 | ニセ科学批判批判 | Comments(0)
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