(内容と形式)

 社会現象は、内容と形式の二つの観点から観察できる。
 例えば、宗教現象を分析する際に、儒教道徳、仏教思想、キリスト思想などの個々の意味内容に即して、思想史の系譜をたどることで、宗教現象を分析することが可能となる。西洋社会が罪の文化なのは、キリスト教の影響であるとか分析するわけである。道徳観念の意味内容(思想史)を分析しないと、本当にその社会の道徳を理解したことにならなとするわけである。歴史学などの人文科学がこの方法をとる。
 しかし、人間科学なるものが登場し、社会現象をその内容ではなく、その機能によって記述するようになった。仏教であれ、キリスト教であれ、宗教と呼ばれる現象は、全て(聖/俗)や(超越/内存)というコードに準拠しており、社会システムや心理システムに対して同じ機能を有していると考えるわけである。平たく言うと、これは一つの万教一致思想である。内容に関わらず、全ての宗教は社会学的に同じ機能を有しているので、同じであるというわけである。宗教に関わらず、法・言語・道徳・伝統・習慣・生活様式など全ての現象に対して、個々の内容を捨象することで、その機能の同一性に注目し、人間科学は、社会を記述し、説明してきた。その際、各社会現象は異なる文化を横断して、機能コードの同一性によってひと括りにされる。
 
 (内容/形式)という区別は、(人文科学/社会(人間)科学)の二つの方法論を区別するメタコードである。
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by merca | 2007-01-21 10:38 | 理論
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