(もの/こと)に準拠したシステム論の構築

 
 (システム/環境)に準拠したオートポイエーシス型のシステム論は、述語型のシステム論である。(主語=項=もの=要素/述語=関係=こと=システム)という区別で観察すると、「こと」を「もの」と見なす、あるいは関係を項と見なす誤謬=カテゴリーの混同に基づいていることがわかる。つまり、述語の主語化である。これは、「もの」のこと化であり、別の言い方をすると、一種の物象化でもある。要素は項であり、関係はシステムであると言えるが、システム/環境という二項関係を想定することは、そもそもシステムを項=要素と見なす誤謬に基づいている。この誤謬がルーマンのシステム論の出発点であり、その正体である。

 (もの/こと)、(主語/述語)、(項/関係)、(要素/システム)という区別は、それ以上、遡ることができない根源的区別である。なぜなら、その区別の反対がそれ自身であるところのものであり、いかなる他の区別からも観察不可能であるからである。

 一般システム論のメタコードは、(システム/環境)ではなく、(もの/こと)、(主語/述語)、(項/関係)、(要素/システム)である。このコードは、オートポイエーシス・システム論にも適用される。オートポイエーシス・システムのコードである(システム/環境)という区別が(項/関係)という区別によって誤謬であると観察できるからである。
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by merca | 2007-05-06 15:13 | 理論
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