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夜回り先生が見たもの。

 
 「夜回り先生のねがい」という本を読んだ。
 
 夜回り先生は、現代版のキリスト=身代わりのように思えて仕方ない。許しは訪れたようである。反対のもののなかにその反対を見て、許しに達した。貧しき者のなかにこそ神はあらわれる。汚れた大人の中に子供=神を見て、あれだけ憎んでいた大人を許すことができた夜回り先生は、はじめて真なる許しをおぼえた。人間の心の中には一切が含まれており、みんな平等である。それどころか全ては平等である。なぜなら、一つの存在がかけるだけでも宇宙は成立たないからである。
 一輪の花に仏あり、なぜなら一輪の花を見て救われるものがいるからである。
「一切衆生悉く仏性あり」とはこのことである。
 夜回り先生にとっては、子供が神仏であるのである。汚れた大人の中にそれを見たことは、蓮華の境地を見たことになる。

 
by merca | 2007-05-07 00:18
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