反証主義と帰納主義の前提

  構造構成主義の科学論からの知見

 反証主義と帰納主義の根本仮説は、外部実存の同一性と人間の認識構造の同一性である。ポパーの反証可能性もこの前提が崩れたら成立たない。しかし、哲学的に言うと、外部実存の同一性と人間の認識構造の同一性は究極的に根拠付けられない。(もちろん、外部実存の同一性は信仰としては成立つ。認識主観を離れた不動の自然という信仰である。)

 もし構造構成主義の上記の見解が正しければ、私が調査した科学の公準のほとんどが崩れ去る。これではニセ科学批判ができなくなる。

 構造構成主義は、現象学の原理にならって、外部実存の同一性は前提としない。さらに人間の認識構造の同一性も前提としない。さて、それではどうするのか?

 そこで、記号と記号の関係の同一性つまり構造の同一性に準拠して、科学を基礎付けようとするわけである。概念内容にズレがあっても、記号と記号の関係は、誰しもが客観的に了解可能であるというわけである。概念内容の同一性ではなく、構造の同一性に対する共通了解をもって科学の基礎とするわけである。

 これまでの科学の公準とは明らかに異なっている立場であるが、公準そのもののメタ理論である。つまり、構造構成主義を前提にしないと、科学の公準が成立たないということである。 
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by merca | 2007-09-02 16:15 | 理論
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