数学は非科学か?

 数学の対象は、物体ではなく、実体がなく、観念を対象とする。従って、自然科学のように対象と認識の一致を実験で実証することができない。実験できないということは反証可能性もない。また、数学でいう虚数やゼロなどは自然界に存在しない。また、自然界には完全な三角形や円も存在しない。その意味で、数学は科学ではない。ちなみに、確率論や統計学も数学の一種である。(数学と同じことは、論理学にもあてはまる。)
 しかし、当の科学は、統計学など数学を利用している。科学自体が科学でないもの=数学を利用して自然を認識しようとする。数学は人間の思考様式なのであろうか? それとも、人間の思考とは別個の客観的な宇宙の真理なのか? ピタゴラスは、数学が客観的な宇宙の法則だと考えた。
 数学を人間の思考様式と捉えるか、自然法則として捉えるかで、数学の解釈は異なる。現代の科学から数学を抜き取ると、現代の科学そのものが破綻する。数学を使用しない科学があれば教えて欲しいくらいである。科学と数学の関係は実に奇妙である。もし数学が単なる人間だけがもつ思考様式にすぎず、科学でないのなら、科学は科学でないものを密かに取り込んでいることになる。
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by merca | 2007-09-17 23:09 | 理論
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