社会学の公準

 社会学の公準
 
1 自己言及性(社会を社会から説明する。)
 社会学の説明原理は、心理学の「心」、経済学の「効用」、生物学の「本能」などの別の学問が準拠している原理であってはならない。例えば、マズローの欲求段階説などで社会を説明しようとする者もいるが、これは社会心理学の「欲求」によって説明しており、社会学ではない。

2 社会的事実を具体的対象とする。
 社会的事実とは、具体的には行為・言語・宗教・家族・集団・組織・道徳・思想・文化・世論・習慣・法律・経済などであり、人々がつくったものである。これらの共通の特徴は、人々がつくったものであり、具体的な個人の主観の外にあり、個人を拘束するものであるということである。

3 近代化の解明を目標とする。
 社会学は、近代化の学である。文化人類学は多様な社会を扱うが、社会学は近代社会以降を扱い、近代化を解明することを究極目的とする。

 ルーマン社会学は、上記の全てを満たしている。上記の公準から外れている場合、ニセ社会学である。
  
 
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by merca | 2007-10-14 11:21 | 理論 | Comments(1)
Commented by telomere at 2014-03-04 14:35 x
何が社会学か、というのは難しいテーマであり、面白い記事だと思うのですが、以下の点はどうなのでしょうか?
①ウェーバーは宗教倫理(心)から近代化を説明しています。合理的選択理論や人的資本論、ゲーム理論を用いた数理社会学は経済学の効用を応用しています。政治意識の計量分析では、権威主義的態度などの意識変数を独立変数として用いることがしばしばあります。
②近代化の解明を究極目的としない研究:現在の社会を分析する人は必ずしも近代化を扱いません(ワークライフバランス、少子高齢化、非正規労働etc)。また歴史社会学者の中には前近代を扱う人もいます(幕末の農民運動、江戸時代の人口変動など)

以上のような研究をする人は、エセ社会学者ということになるのでしょうか?

また以下のような点はいかがでしょうか?
②社会心理学は社会学では?アメリカでは社会心理学が社会学部に置かれていることが少なくありません。日本生まれの社会心理学として社会意識論という分野がありますが、主な担い手は社会学者です。
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