治安悪化は本当である。


 浜井浩一が治安悪化していないと断言しているのは統計上、正しいとは言えないことを実証したい。
 
 戦後からの犯罪統計の犯罪発生率をよくよく分析すると、一般刑法犯の犯罪発生率は、1948年がピークで1999.91である。その後、減っていき、1973年に1091.21となり、最低になる。しかし、それ以降上昇し、2002年に2238.47となってピークとなる。そらから、突然下がりだし、2007年に1605.39となる。要するに、戦後間もなくは犯罪発生率は高く、治安が悪化しており、高度経済成長期を迎えて終わる頃には、戦後最低となり、バブル期やバブル崩壊後に発生率はあがりだし、治安が悪化し、2002年以降に突然下がりだす。強盗、強制わいせつ、傷害に特にこの傾向が認められる。窃盗、詐欺、横領、恐喝もほぼ同じような曲線を描く。ただし、殺人、強姦、放火は横ばいより減少気味である。いずれにしろ、戦後間もなくから1973年ころまでは発生率は低下し、治安はよくなっていたが、その後、発生率は上がりだし、治安が悪化し、2002年にピークを迎える。
 ここで、2002年以降に発生率が下がったのは、治安悪化を受けて国家が刑事政策として警察官を1万人増員し、職務質問が増えたことと関係していると考えられる。要するに、治安悪化は人為的に警察のおかげで抑制され続けているというのが妥当な見方だと思われる。放っておいたら、悪化していたのである。
 結論からすると、犯罪発生率に準拠して観察すると、治安は悪化し続けており、国家の刑事政策的介入が必要であるというのが、社会診断としては妥当である。
 反社会学講座も浜井浩一も芹沢一也の議論も、全体的事実からすると、事実ではなく、事実のある一部を選択化して構成された物語である。言わば治安悪化神話社会神話である。治安悪化神話社会神話に基づいて国家が刑事政策の手を緩めると、たちまち実害が国民に及ぶと考えられる。このことに気づかずに、治安悪化神話社会論を妄信して社会を論ずるブロガーは多い。
 
  参考
 ウィキペディアの日本の犯罪と治安
 各種データを参照されたい。


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by merca | 2008-10-04 13:33 | 社会分析
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