ニセ科学批判者のうちでは、「水からの伝言」(水伝)に関する議論が流行っている。これは「ありがとうという言葉が奇麗な水の結晶をつくる」という命題が科学的事実ではないという前提によって、なされている批判である。 さて、これとよく似たものに「植物はほめると育ち(けなすと育たない)」という命題があり、ネットでざっと調べてみると、かなり人々に流布しており、植物にも心が宿ると信じている人は多い。また、この命題を利用して子供の教育もほめて育てるのが正しいという教育観の根拠とする人もいるようである。 (「植物をほめる 実験」などで検索すると沢山でてくる。) このことについては私は詳しく知らないが、随分前に私もテレビで、ほめた植物とけなした植物の成長の比較実験していたのをうるおぼえで記憶している。また、どこかの本にもそのような記述があったと記憶している。 科学の立場からすると、つまり脳科学的には、植物には脳はないので、心があることは否定される。これまでの科学的知識とは反することなる。 「植物はほめると育ち(けなすと育たない)」という命題の発祥起源は、そもそもどこから来たのだろうか? そういうわけで、調べると、クリーヴ・バクスターという科学者=心理学者に由来しているのではないかとわかってきた。 http://www.amazon.co.jp/植物は気づいている―バクスター氏の不思議な実験-クリーヴ-バクスター/dp/4531081463 これは、「バクスター効果」と呼ばれ、「波動」と結びつけて理論化している人たちもいるようである。(「バクスター効果」と「波動」でネット検索) 水からの伝言よりも先に流布しており、幅広く広まっており、校長先生の講話で述べられたり、学校の先生が理科の授業で話すこともあったようなネットでの記述も認められる。草木や花にも命が宿っており(生物学でも生命体)、心があるという感性をもつ人なら自然に受け入れてしまうと考えらる。無機物である水よりも、有機体である植物であるからなおさらである。水伝とよく似た構造である。いや水伝のルーツであるかのようである。 水からの伝言が波及する社会的土壌がすでに、「バクスター効果」によって形成されていたのではないかと推察される。 「バクスター効果」は、ニセ科学批判の対象になるだろうか? 人気blogランキングの他ブログも知的に面白いですよ。 人気blogランキングへ
by merca
| 2009-01-24 15:52
| ニセ科学批判批判
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Comments(6)
論宅さん、お久しぶりです。Chrysostomosです。
バクスター効果ですか。よく見つけてこられましたね。さすがは、論宅さんです。これ、水からの伝言と全く同じ構造をしてます。 で、「バクスター効果」は、ニセ科学批判の対象になるだろうか? ですが、まともな科学者なら、"植物には脳はないので、心があることは否定される。これまでの科学的知識とは反することなる"という理由で批判することはないと思いますよ。疑ってかからなくちゃいかんなと思う動機にはなるかもしれませんが。 まず、バクスター氏がどういう根拠でその主張をしているのか吟味し(実験なら、ほめた場合とけなした場合とでその他の条件が全く同じで実験ができているかとか、植物なら個体差があるでしょうから有意差が見られるほどのサンプル数で実験しているかとか)現代科学で妥当とされたプロセスを経た根拠があるのかということですね。もし不備があれば当然批判されるでしょうし、そうでなければ追試するでしょう(ちょっと考えられにくいケースですからね)
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Chrysostomosさん こんばんは コメントありがとうございます。水伝に対するニセ科学批判は、これまでの科学が積み上げてきた科学的知識との整合性から判断し、反証実験をしなくても、水伝は科学的事実ではないとわかると結論付けています。(真理の整合説を都合よく利用しています。)
菊池氏もそのように主張し、反証実験をせずに、水伝をニセ科学と認定しています。このブログに菊池氏がコメントしてきた時に、科学の定義として反証主義にやけにこだわっていました。反証主義中心の科学観に基づくニセ科学批判を認めると、自己のニセ科学批判が不適切なものと思われると懸念していたからだと考えられます。反証主義に基づくニセ科学批判は、実は菊池氏を主流とするニセ批判者たちにとって、私のようなニセ科学批判批判者よりも、やっかいなものなんです。もしニセ科学批判に反証実験が必要ならば、いちいち実験代が膨大にかかり、自由にニセ科学批判ができなくなるでしょう。ニセ科学批判者はそれを一番おそれています。 バクスター効果についても、反証実験なしでニセ科学として批判すると思います。
論宅さん、こんばんは。お誘いありがとうございます。
上のコメントで、Chrysostomosもおっしゃっていますが、私も「まともな科学者なら、"植物には脳はないので、心があることは否定される。これまでの科学的知識とは反することなる"という理由で批判することはないと思います」に賛成です。“水”の場合は、単純な物質なので、“言葉を理解する機能なし”で単純に片付けることができますが、“植物”の場合は、複雑系の問題になるので、“水”ほど単純に片付けられないのではないかと思います。
反証実験の話をする前に、主張されていることの根拠が十分かどうか検討することが先決です。(すみません。バクスター効果については紹介されていた本を読んでいないので、コメントできません)
水伝についてはそれ以前の話です。 というのは、 (a)水伝は科学かニセ科学かという論争かと思っていたら、 (b)水伝は科学か寓話(ポエム)かという論争に変わっていた。 (a)なら、科学のレイヤーに閉じていますが、(b)ならレイヤーの混乱が起きているわけで、この点がはっきりするまで水伝に関する論争に加わる気にはなれません。 と、思っていたら、また(a)に戻っていくような気配ですね。 菊池先生のところのブログに新しいエントリーが上がっています。 「水伝」の科学的検証実験("科学的"かどうかはともかく) しばらくは、眺めているだけにします。
eastcorridor さん
こんばんは 論宅です。私のエントリーにきていただいてありがとうございます。さっそく、ニセ科学批判の方たちからトラックバックがありました。やはり、彼らにとっても興味がある題材のようです。私としては、最初からニセ科学というフィルターで観察するのではなく、なるだけ公平な分析をしたいと思っています。あとむしろ、バクスター効果やその変形版は科学的事実として受け入れられたというよりも、人々の感覚の問題として受容されたのではないかと思うのです。 Chrysostomos さん レイヤーという考え方は、「として」という認識構造と関係しており、この問題の大きなヒントとなりました。ありがとうございます。あとで、このことについて多く述べたいと思います。
バクスター効果は科学として見れば証明のしようのないものでありますね。良い波動って言っても電子音みたく単純に数学的に整っていれば良いというものでもないし。ほとんど主観的だとは思います。
ただ喜多方ではDIATONEのDS-A3でモーツアルトを聴かせる酒造工場があるし、現場では多く観測されて有効活用されているので、「波動」という単純な科学で本当に充分なのかどうかは置いておいて、そういう作用が「ある」か「ない」かだったら、「ある」とは思います。 観葉植物を飼ってたときも、要らなくなったら枯れましたしね。人間同士なら以心伝心もあるし。(電車で実験すればすぐわかる。相手には迷惑だけど(笑)
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