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述語論理学

 スペンサー・ブラウンの形式の法則の正体は、精緻化された述語論理学である。意味つまり述定とは、常に何かについての意味であり、主語について言われることである。形式の法則では、主語(特に固有名)がすっぽりと抜けていることがわかる。
 主語と述語を等値することで、(システム/環境)が世界の全てであるというシステム論の発想が出てくる。自己と世界の境界を等値することでシステムの閉鎖性が担保される。形式の法則は、特殊性-一般性という思考回路に閉じ込められており、主語の述語化、述語の主語化が可能な次元の論理である。超越論的論理学で言うところの絶対主語や絶対述語は排除されている。システム論には、場所という観念が欠落している。

 柄谷行人や西田幾多郎の哲学からシステム論を記述すると、上記のようになる。世界とは、一切の区別(述語)を包み込む絶対無の場所、スピノザ無限、無限集合である。

 簡単に言うと、本来、システムの要素は、主語であり、システムは述語である。述語は、概念であり、カテゴリーあいるは区別である。システムの要素に自律性があるいは、要素が主語だからである。

  
by merca | 2007-05-05 09:54 | 理論
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