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ニセ科学批判の前提

やはり室井さんのトラックバックが気になり、少し考えてみました。

 「ニセ科学批判は、ニセ社会科学である?」かも・・・。
 
 「○○は科学的事実であると社会的に誤解されている。」という前提が成立たないと、ニセ科学批判も成立たないことになる。例えば、「血液型性格判断は科学的事実であると社会的に誤解されている。」という命題が、社会調査法による統計的意識調査によって実証されているか否かということである。個々のニセ科学と呼ばれる批判対象に対する先の命題が、社会学による意識調査によって実証されないと、ニセ科学批判は実質的に意味をなさなくなる。
 確かに、個々のニセ科学と呼ばれる批判対象に対して、個別に社会学に基づく統計的意識調査は行われている様子はない。菊池氏や天羽さんが大がかりなそのような社会調査を実施したという話は聞かない。もしそれを本当に(社会)科学的に実証するのなら、社会学の知見を要することになる。まずは、測定可能なように「ニセ科学」という概念を定義し、聞き取りで質的調査を行い、それに基づき、項目を設定し、精緻な質問用紙をつくることになる。対象の絞り方や項目の設定の仕方など、社会に対するセンスがかなりいる。そんなに単純なものでない。高坂教授や太郎丸先生などが行うような高度な社会調査法のテクニックがいる。専門領域の異なる自然科学者にはできない。

 「○○は科学的事実であると社会的に誤解されている。」という個々の命題が意識調査によって社会科学的に実証されないと、ニセ科学批判は、ニセ社会学に立脚していることになる。現在のところ、そのようなデータはないので、ニセ科学批判は全てニセ社会科学の域をでない。そのことについて、盲目である。ニセ科学批判者たる自然科学者たちは、社会学を前提にしないと、自己の議論が成立たないことに気づいていない。

 すでにこれに気づいているニセ科学批判者もいるかもしれないが、その場合、「○○は科学的事実であると社会的に誤解されている。」という実証的データを見せてほしい。でないと、悪いが、やはり目くそ鼻くそを笑うになるのではないかと思う次第である。
   
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by merca | 2008-01-03 12:37 | Trackback(1) | Comments(12)
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Tracked from Chromeplated.. at 2008-01-05 20:36
タイトル : 空疎
exciteブログのシステムはよく分からない。論宅さんのニセ科学批判の前提と云うエントリに言及するためには、ソースをみて当該エントリに打たれた非表示のアンカーを掘り出して、そこにリンクすると云うやたらに面倒な手順を踏むことになる。いや、そう云う議論の仕方をしたくない、と云うことなのかもしれないけれど(議論じゃなくて放言だけしたい、と云うことなのかも)。 例の「室井」氏からトラックバックを受けてのエントリのようなんだけれど、どうもこの方のブログ、議論の流れを追うことが読者にできるように配慮されている...... more
Commented by TAKA at 2008-01-05 00:53 x
mercaさん、はじめまして。
実は私、若い時インチキUFO本に嵌っておりました。ただ今、一から正しい勉強をしている次第です。今思うのは「ああ時間を無駄にした。年取ってからの勉強は大変。」という事です。
最近は世にはびこるニセ科学にも注意を払っています。と言うのも、科学に無知な私はニセか本物か瞬時に区別が付かないからです。
優秀な人ならニセ物も、「おっとこの理論は誤解だらけだな。」と成るのでしょう。
私の場合は、「参考書を調べ、先輩の助言を聞き、怪しい箇所を見比べて、やっと何が変なのか分かる。」という次第です。とても時間がかかります。

この日本が将来、「ニセ科学を瞬時に見分ける優秀な人ばかり」になったとしても、私は苦戦しそうです。今まで無知だった為、知らない事だらけなのです。
そこで、一々自分で調べるよりも、先に「その道のプロに聞いた方が安心」という考えに至りました。(続きます)
Commented by TAKA at 2008-01-05 00:54 x
こうしてる間にも、新しい「ニセ科学」は次々に耳に入ってきます。そんな怪しい話に振り回されて、貴重な時間を無駄にする経験は、もう十分しました。

mercaさん、私たった一人の脳内でも、ニセ科学は被害を与えているのです。こんな私が、少しでも被害に遭わないためにはどうするべきか。
考えついた結論は、「正しい科学の手法」を学び、「ニセ科学の手口」を知ること。これです。

きくちさんや天羽さんも、似たような動機でニセ科学批判を展開している様に見えます。つまり「世に「ニセ」がはびこる前に先制して「正しい科学知識」を広める方が時間を節約出来る。という考え方です。
私はこれからも勉学に励み、精進したいと思っています。
それでは失礼します。
Commented by ふまたん at 2008-01-05 01:42 x
科学的でないのに「科学的である」と誤解させて騙す、ということが問題なのですね。科学的でないことは何ら問題ではなく、ポイントは「科学的である」と誤解させて騙すことにある訳です。
ところが、「科学的である」と誤解させて騙すことになるか、ならないかは、主張そのものだけで決まるようなものではなく、その主張がなされた『場の状況に強く依存する』ものです。
ですから、主張がなされた場の状況とは独立に主張だけを取り出して、その主張はニセ科学であるとは言えないのです。
Commented by 非ヤング at 2008-01-06 08:33 x
> 貴方がどういうものを指して「状況を同じくしない」と呼んでいる

一つ例を上げましょう。(ほぼ繰り返しになりますよ。)
1.日常的な雑談中に、「A型は神経質」と言ったこと。
2.「血液型と性格の遺伝統計分析」なるタイトルの本で遺伝がどうのこうの、統計がどうのこうの書きながら、「A型は神経質」と主張すること。

こういったものを一緒くたにして、ニセ科学であるというのは不正確だというのです。もちろん、【大袈裟なアジ表現】としてならば有り得るでしょう。だから、確認的な疑問なのですよ。



【Jack周遊記】ニセ科学批判に関する個人的な考察
http://jackalright.seesaa.net/article/74206707.html
【思索の海】ニセ科学批判批判考のコメント欄まとめ
http://d.hatena.ne.jp/dlit/20071229/1198915146
Commented by 参考 at 2008-01-06 08:42 x
キャロル助教授らが判定した「医学的神話」は、
(1)1日にグラス8杯以上の水を飲むと健康に良い
(2)人間は脳の10%しか使用していない
(3)髪の毛と指の爪は死後も伸び続ける
(4)体毛を剃ると濃くなり、毛の伸びる速度も上がる
(5)暗い場所での読書は目を悪くする
(6)七面鳥を食べると眠くなる
(7)携帯電話は病院の医療機器に影響する
の7つ。

暗い場所での読書や病院でのケータイ使用はOK? 米研究者が調査。
Web posted at: 2007/12/25 22:20
Written by コジマ
http://www.narinari.com/Nd/2007128522.html
Commented by merca at 2008-01-06 15:40
TAKA さん こんにちは 論宅です。
          コメントありがとうございます。
 UFOに嵌った話をもう少し聞かせてほしいです。UFOが存在すると言っていた著者は科学者だったでしょうか?また、TAKA さんは血液型性格判断とマイナスイオンと水伝も、科学だと誤解していた時期があったということでしょうか?
  友人とかに聞くのですが、そもそも水伝などは知らない人が多いです。UFOについては、みんな知っていますが、逆に科学的に説明がつかない現象なので信じるという感じの人はいました。心霊現象と同じですね。周りの色んな人にインタビューすることは無駄ではなく、大きな社会調査をする際の準備になります。
  ニセ科学批判の専門家である菊池さんの関しては、ニセ科学にオウム真理教的な危険性を感じるために、ニセ科学の芽を摘み取るという科学者による科学のリスク管理的側面があるように思えます。
Commented by きくち様ご一行様 at 2008-01-06 22:17 x
ふつう実母のへその形状なんて気にするひとはいませんが、「おまえのかあちゃんでべそ」が侮蔑表現として成立する、とおとなになっても考えているみたいな状況ですね。
by pooh (2008-01-06 20:15)
http://blog.so-net.ne.jp/schutsengel/2008-01-06

まさにそこに、一連の議論の本質のひとつが顕現していると思います。最近よく感じるのですが、「ニセ科学批判」批判の言説は面白いくらいにニセ科学のロジックに近づくんですよね。
by pooh (2008-01-06 16:33)
http://blog.so-net.ne.jp/schutsengel/2008-01-05
Commented by TAKA at 2008-01-06 22:39 x
論宅さん、こんばんは。
あの頃は宇宙の話が好きでした。でも、まともな勉強は嫌です。そこで「難しい話」が無く、何か面白そうな、UFO本に。
「夢が有って良い。」と思って読んでいたら、実は「無知による誤解だらけ」のインチキ本でした。がっかりです。著者は確か「自称研究家」だったかと。
水伝はさすがにちょっと。というのも、その頃は「超科学的な話」にしか興味が。無知な私は、「何か凄そうな超科学」に、憧れを抱いていた訳です。でも、全ては幻想でした。
論宅さんのお言葉
>周りの色んな人にインタビューすることは無駄ではなく、大きな社会調査をする際の準備になります。

なるほど納得です。私は待ち遠しいです。論宅さんが、「これこれは、科学的事実であるとは、社会的に誤解されてはいない。」という、実証的データを披露する日を。その時は、読者の皆さんも大いに納得するはずです。「批判者のやり方に、疑義を唱えただけの事はある。さすがは論宅さん。」という風に。
ご活躍を陰ながら祈っています。お返事、ありがとうございました。
Commented by ぶりぶり at 2008-01-08 20:08 x
また、本来、「オカルト」等に分類すべき対象を疑似科学に分類すべきではない。迷信やオカルトは、それが科学であると誤解されるような要因を持ち合わせない。
サイエンス・フィクション(SF)は科学風の表現を多用する非科学的な言説である。その内容がオカルト等と同じく科学的と誤解されることがなければ疑似科学ではないのだが、
少年や青年の一部にSF作品中の理論づけなどをてっきり本物の科学的な説明だと誤解する者がごく稀に存在することもあるため、疑似科学に分類される。
Commented by 怖いお兄さん at 2008-01-10 19:45 x
>論宅に対する言動そのものについての葛藤は今でもありません。
Commented by 非ヤング at 2008-01-10 19:47 x
裁判用掲示板:『【弁護士の見解】法的責任は教員にある』より
http://www.i-foe.org/h19wa1493/bbs/tree.php?n=347

>「大学に責任有り」というデマを振りまいていますので、もし可能でしたら、「大学に責任があるという意見はデマであり、プロの法律家の見解とは異なる」という情報を広めていただけるとありがたく思います

「ネットに詳しい弁護士さんのコメント」をまとめます。

1.教員が作ったウェブサイトの法的責任は大学ではなく教員にあると考えるのが普通の弁護士の考え方だ
2.大学が被告なので大変奇妙な裁判だ
3.責任者の所属と氏名がトップページに明記されている場合は、その責任者が訴えられるものである
4.「大学に責任がある」という主張は、プロの法律家の目から見てもおかしい
5.山形大学の総務部が回答した「教員が開設した研究室のページなどの法的責任は、最終的に教員個人が負う」という見解は法的に妥当なものである
6.「大学に責任有り」というデマを振りまいています
7.大学に責任があるという意見はデマであり、プロの法律家の見解とは異なる
Commented by 比ヤング at 2008-01-10 19:49 x
【補足】「デマの源泉」がどこかは、以下により明白です:

室井健亮氏と天羽優子氏との議論
http://www.minusionwater.com/muroiamo.htm
被告=お茶の水女子大学へ
http://d.hatena.ne.jp/muroikensuke/20071118/1195360549
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